「お父さん倒れた。至急連絡を」と母親から突然連絡がきた。

  • 2019年5月8日
  • 2019年5月19日
  • 体験記
  • 1826view

・・・2019年1月12日(土) 午前10時半頃

晴れ、東京都内某所。

IT系サラリーマンである私は普段の運動不足を解消する目的で、毎週土日のどちらかはスポーツジムに行っており、その日も都内のあるジムに自転車で向かっていました。

ジム前には必ず近くのセブンイレブンで水とサラダチキンを買う習慣があり、その日もセブンイレブンに立ち寄って、飲み物のコーナーに立ち入る直前、ふとiPhoneの画面をみると、

「不在着信2件あり」と共に母親の番号が1件

「メッセージあり」というお知らせが2件

合計3件のお知らせが表示されていました。

母からの突然の連絡

一人暮らしをしている自宅の電波が非常に悪いこともあり、自宅では常に機内モードでwifiしか使っていない私からすると、機内モードを解除した瞬間に母親から朝早く連絡がきていることは頻繁にあり、この日もなんとなくメッセージを開きました。

※ 当時のやり取りのスクリーンショット

母親
「お父さん倒れた、すぐ連絡を」
管理人Shinoto
「一体何が起こった、、、え?」
管理人Shinoto
「え…..えっ?」

時差式なのか、最初のメッセージを受け取った、1~2秒後に

※ 当時のやり取りのスクリーンショット

母親
「お父さん、XXX中央病院に向かっています救急車で」
管理人Shinoto
「えっ、ええええ〜」
管理人Shinoto
「あれ?これいたずらか?」
管理人Shinoto
「うーん、どういうことだ。」
管理人Shinoto
「ドラマかこれ?」
管理人Shinoto
「現実なのか夢なのか?」

メッセージを見た瞬間の数秒の間に、様々なことが駆け巡りました。

その結果、何も考えずに送ったメッセージがこちらです。

※ 当時のやり取りのスクリーンショット

管理人Shinoto
「え!?え?!」

機内モードを解除して、母親から父親が倒れたというメッセージを受け取り、返信するここまで、

およそ10 ~ 15秒

だと記憶しています。

メッセージを送った瞬間、メッセージでは話が遅いと思い、すぐに電話を折り返しかけ直しますが、繋がりません。
かけ続けること3回目、ようやく出ました。

話した内容は明確に覚えてはいませんが、2~3分、以下の内容で母親と会話しました。

管理人Shinoto
「もしもし?」
母親
「今病院に到着したんだけど、これからMRI受けることになった」
管理人Shinoto
「えっ?どういうこと?大丈夫なの?意識は?息は?」

聞きたいことがたくさんあり、何も考えず頭にポッと出てきた事を聞いてしまいました…

母親
「ほんとにわかんないんだけど、救急車の中で救急隊員の人が言うには脳卒中かもって。」
管理人Shinoto
「え、ええ?倒れたってこと?」
母親
「実は昨日、夜中突然頭が痛いって1階のお父さんの寝室からお母さんの寝室まで這いつくばってきて…」
母親
「『もう凄い痛すぎて我慢できないから救急車呼んでくれ』って言われて救急車で近くの病院まで行ったんだけど…」
管理人Shinoto
「ええ、、、なぜ昨日言ってくれなかったの!?」
母親
「それが病院について2時間ぐらいかなぁ?検査中から痛みがすっと治ってしまって、普通に自分で歩いて帰ってきちゃったぐらいで」
管理人Shinoto
(…なるほど、それが予兆だったってことか…?)
母親
「それでいつも6時とか早い時間に起きてるのに、今朝は8時半頃にお母さん起きた時まだ寝てるみたいで」
母親
「前日夜中に背中で病院行ったから寝てんのかなぁと思ったけど寝室に行って見たら、目は片方だけ開いてて話すにも喋れない様子で」
母親
「本人は、こっちの言ってることはわかってるみたいなんだけど、あっちが話そうとしても何言ってるかわかんなくて、救急車また呼ぶべきかな?タクシーで病院連れて行くべきかな…」
母親
「だけど、さすがにこんな状況で呼ばないっていうのは無いと思って、すぐに救急車乗って病院にきてさ〜。」
管理人Shinoto
「じゃ、まだ意識はあるんだね?」
母親
「まぁ、そうだね、ちょっと話すのが難しそうだけど、、、」
母親
「とりあえず、MRIで診断があと20分くらいだから終わったらまた連絡するね」

ということで一旦電話を切りました。

電話し終わり何を思ったかわかりませんが、すぐに支度をして帰る、ではなく一旦連絡が来るまでジムに行こうとそのままジムに行きましたが、
緊張や不安でトレーニングどころではありませんでした。

そこから30分ほど経過した正午前、母親から一通のメッセージが届きました。

※ 当時のやり取りのスクリーンショット

母親
「脳梗塞だそうです一週間がやまばとか!」
管理人Shinoto
「やっぱり、脳梗塞か….まじか….」
管理人Shinoto
「…(そうだ、姉に連絡しないと!!)」

LINEを開き、すぐに姉にメッセージを送ります。

管理人Shinoto
「ちょっと、聞いた?俺は今日帰ろうと思うんだけど」
「帰るの?今mri受け終わったみたいで脳梗塞だって連絡があったよ。」
「脳梗塞ってどれだけの度合いなんだろう。」

※混乱していたのか、ここでも緊急性の伝わらないワードを送っていました。。。

故郷にすぐ帰省

最初の連絡を受けてここまで1時間弱、実際の時刻にすると11時30分頃。
脳梗塞と診断されても、どれぐらいの重症度かはわからないままで、いまだにMRIの結果の連絡を待っている状況でした。

しかしながら、ジムでトレーニングしている場合ではないと今更気づき、急いで自宅へと自転車を漕いで帰ります。

私の実家は東北地方にあり、帰省するのに4時間超かかるということもあり、急いで帰省の準備、カバンに荷物を詰め込んで、そして新幹線に乗るために上野駅に向かいました。

管理人Shinoto
…(ああ、そうだ、今日は友達と夕方から飲みに行く予定だったんだ、すぐに断らないと)

上野駅に向かう途中、すぐに友人に謝罪のメッセージを入れ、上野駅から東北新幹線に飛び乗りました。
幸いにも自由席はガラガラで席に座ることができたのだが、、、

新幹線での3時間弱は、正直気が気ではなく、もちろん一睡もできずに以下のようなキーワードをGoogleに打ち込みまくり、ひたすら検索します。

「父親 脳梗塞」
「脳梗塞 重度」
「脳梗塞 リハビリ 期間」
「脳梗塞 症状」
「脳卒中とは」
「脳梗塞 後遺症」
「右脳 脳梗塞」
「脳梗塞 原因」
.
.
.

結果として脳梗塞に関する、一般的な情報や家族として今後どうするべきか等の以下のような情報にたどり着きました。

  • 2019年1月現在で日本人の死因2位
  • ただ以前は死因1位をキープしていたこと
  • 軽度のもの、重度のものがある
  • 軽度でも重度でも恐らく身体麻痺が出る可能性が高く、リハビリが必要
  • リハビリ次第で動かせる部分もかなりある。
管理人Shinoto
(…脳梗塞って言ってたけど、軽度か重度でだいぶ変わってくるのか。やはりリハビリ次第…)

そうこうしているうちに新幹線は最寄駅に到着し、病院まではタクシーで20分前後です。
雪がちらつく中、駅の目の前の道路でタクシーを捕まえることができ、病院へと急いで向かいます。

病院到着後、すでに母と姉は集中治療室専用の待合スペースで座って待っていました。

父親は意識があるということで、私・母・姉の3名で、すぐに集中治療室に入れてもらうこととなりました。

ICUで父との対面

治療室に入室し、すぐにベッドに横たわる父親と再会したが、とてもショックを受ける姿でした。

脳梗塞の影響で、体が麻痺している模様、顔も右側が麻痺しており完全に歪みきっていましたが、
脳の任地機能的には影響がなかったのか意識はハッキリしていて、私が到着したことや話の内容に関しては通常の人と変わらない、意識の状態レベルとしては至って普通の父親でした。

しかしながら顔が麻痺しているせいか、言葉をうまく発することができないようで何を言っているかを聞き取るのに非常に時間がかかりました。

父親にはまだ病名が伝えられていない模様で悟られないように、こんな会話をしました。

「(かなり聞こえづらい声で) どうした、わざわざ帰ってきたのか?」
管理人Shinoto
「入院したと聞いて東京からすぐに帰ってきたよ。」
「そうか、悪いな。」

コミュニケーションが取りづらいことを除いては、幸いにも少し会話することができたのが救いでしょうか。

その後数分ほど会話し、担当医から現在の容体や今後の予想される懸念点などを直接聞くこととなりました。
母、姉は既に担当医師からの話は私が到着する前に聞いており、「息子さんがいらっしゃったら、もう一度説明します。」と伝えられていたみたいです。

ここでの会話も一文一句明確には覚えていませんが、以下のような会話だったと記憶しています。

管理人Shinoto
「こんにちは、到着が遅くなりました。よろしくお願いいたします。」
担当医
「お父さんの現在の状況についてご説明します。」

MRIで撮影した画像を見せながら。

担当医
「現在お父さんですね、簡単に申し上げますとかなり厳しい状態です。」
担当医
「現在意識はあるものの、画像を見ていただけるように右脳の前頭葉部分を除く2/3 ~ 3/4が既に死んでいます。」
担当医
「これから更に前頭葉部分や左脳にまで進行する可能性も大いにありえます。」
管理人Shinoto
(…つまり状況は今後悪化する可能性が高いってことか)
担当医
「そして、死んでしまった脳は次第に膨れていきます。壊死から数日で膨れ始め1週間程で元の状態に縮んていきます。」
担当医
「どういうことかとお伝えすると、お父さんは64歳でまだ若いんですね。つまり脳も萎んでなく、しっかりずっしりとしています。」
担当医
「つまり脳が膨らみ始めると、脳圧が一気に上昇することを意味します。」
担当医
「脳圧が上昇すると、脳の中心部にある脳幹(中枢)の神経が圧迫され次第には圧迫死してしまいます。」
担当医
「人間の生命を維持するために重要な部分が脳幹(中枢)というもので、これが圧迫されると呼吸器や心臓・内臓が機能しなくなります。」

直接的には言いませんでしたが、つまりは「壊死した脳が膨れてきて、死んでしまう可能性が高くなる」ということです。

担当医
「膨らんできた脳で脳圧が上がらないように頭蓋骨を全体の半分ほど取ってしまい、膨らみを外側に出せる状況を作る手術が必要になります。」
担当医
「お父さんの場合、恐らく明日や明後日には手術になると想定されます。」
担当医
「もし、そうなった場合、ご同意いただけるでしょうか?」

この辺に関しては、事前に聞いていなかったみたいで「開頭手術で、かつ頭蓋骨も半分切り出してします」という衝撃的な内容に母や姉にも迷いが見えました。

私も「そんなことして一時的に命を取り留めた後の穴の開いた頭蓋骨はどうするんだ?」などと一瞬頭をよぎりました。

母親
「どうするって、、、やるしかないよねぇ、、、?」
管理人Shinoto
「質問させていただきたいのですが、今後非常に高い可能性で状況は悪化して意識も無くなって、頭蓋骨を取らないと膨らんだ脳が脳幹(中枢)を圧迫して、最終的に死に至るが、手術をすることによって圧迫しなくなる可能性が高くなるってことでよろしかったでしょうか…?」
担当医
「はい、しかしながら何らかの要因で膨らみが外側ではなく内側に膨らんでいってしまう可能性も0ではなく…」
管理人Shinoto
「なるほど、、、手術しても一か八ってことですね・・・?」
担当医
「・・・はい。」
管理人Shinoto
「わかりました、やった方が良いとのことであればよろしくお願いいたします。」
管理人Shinoto
「で、いいよね、、、?」
母親
「うん」
「…うん。」

という流れで、いざという時は病院の判断ですぐに手術を実行してもらうことをお願いしました。

担当医
「数日以内に開頭手術、腫れが一旦治るのがそこから数日、つまり本日から1週間が山場です。」
担当医
「病院側の判断で手術をする場合、必ず手術前に電話をしますので。」

そのような事務的な話も終わり、集中治療室内にある医師室を出ましたが、集中治療室に他の緊急を要する患者さんもいるため、ずっとそこにいるわけにはいきません。

母、姉、そして私を含む全員が突然のことで精神的に疲れていたこともあり、その日は帰宅することとなりました。

そして長いような短いような、人生で初めて感じる8日間の闘病生活が始まったのです。

次の記事 父が重度の脳梗塞と診断された家族が記す9日間の闘病日記

関連記事

担当医 「MRIの結果、お父さんの右脳は2/3 ~ 3/4が既に壊死しており、重症です。」 担当医 「壊死した脳が膨らんで[…]

最新情報をチェックしよう!