本記事では、
「自宅通夜の一般的な流れとスケジュール例」
を喪主経験者である筆者から説明させていただきます。
2019年1月、私の父親は重度の脳梗塞を発症、闘病の末に息を引き取りました。
近年では葬儀場での通夜が一般的でしたが、私の場合は田舎ということもあり、自宅での通夜を経験いたしました。
この記事では、私の実体験をもとに今後自宅通夜を執り行う予定の方にとって役立ちそうな当日の流れやスケジュールについて説明していきます。
それでは早速ですが、自宅で通夜を執り行う際の当日スケジュールについて見ていきましょう。
自宅通夜の当日スケジュール例
本題に入る前に、「通夜」という行事について少し説明させてください。
通夜とは、「葬儀の前に行う仏教儀式であり、故人を葬る前に家族や知人が遺体を夜通しで守る」ことを意味します。
今のご時世では、夜通し寝ないで朝まで遺体をずっと見守ることはあまりありませんが、通夜自体の行程は、準備を含めると朝から夜まで丸1日かかる行事です。
そのため喪主や遺族は朝から夜まで忙しい1日を過ごすことを念頭においてください。
また、通夜とは遺族や近親者、近しい友人のみが夜通し故人に付き添って別れを惜しむ行事でした。
しかし近年では、葬儀告別式に参列できない方々のために、友人・知人の弔問を受ける通夜形式も増えています。
それでは私の体験例をもとにタイムスケジュールを記載します。
自宅通夜、当日のスケジュール例
自宅での通夜で、17:00を開始時間として設定した場合、以下のようなスケジュールになります。
時間 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
午前 ~ 16:00 | 通夜の準備 | 参列者を受け入れる体制作り、通夜振る舞いの準備が当てはまります。 |
16:00 ~ 16:30 | 参列者が集合 | 通夜の案内状を送った親族や近しい方が徐々に集まり始めます。 |
16:50 | お坊さんが到着 | 読経をお願いしたお坊さんが自宅に到着します。 |
17:00 | 読経の開始 | お坊さんによる読経が始まります。 |
17:40 | 参列者の焼香 | 参列者による焼香の時間です。 |
17:45 | 読経の終了 | お坊さんによる読経が終わります。 |
18:00 | お坊さんが帰宅 | 読経が終わり次第、お坊さんが帰宅します。 |
18:15 | 通夜振る舞いの開始 | 通夜に参加いただいた方にお食事を提供します。 |
19:45 | 通夜振る舞いの中締め | 約1.5時間程度で喪主から中締めの挨拶をします。 |
20:00 | 通夜振る舞いの終了 | お食事が終わります。 |
20:30 | 完全撤収と片付け | 参列者が帰宅し、食事後の食器を片付けるなど、通夜が終わります。 |
それでは以下で各項目の詳細について見ていきましょう。
通夜の準備
通夜の準備については別記事としてまとめてありますので、コチラからご覧ください。
参列者が集合
事前に案内状を送っていた親族や近しい方々が自宅に集まり始めます。
案内状に記載されている開始時間の1時間 ~ 30分前には大体の方が揃うこととなるでしょう。
あくまでも自宅での通夜の場合ですので、訪れる方も5名~10名、葬儀場での通夜とは異なり大々的なものではありません。
お坊さんが到着
案内状を送った親族や近しい方々が集まると同時に、通夜開始時間の15分前にはお坊さんが自宅に到着します。
ここで喪主は、お坊さんを出迎え、遺体が安置されている部屋まで案内する必要があります。
このときに、読経時間や通夜の流れについて打ち合わせを行っても良いでしょう。
お坊さんへのお布施やお席料は、到着と同時にお渡ししても良いですし、帰る際にお渡ししてもどちらでも構いません。
遺族と参列者は、お坊さんが到着次第、読経が始まるまで通夜を執り行う部屋で待機となります。
読経の開始
遺族、参列者が着席次第、喪主がお坊さんに読経開始をお願いすることとなります。
読経の長さは宗派によって異なりますが、おおよそ30分から長くとも45分です。
参列者の焼香
次に焼香となりますが、「読経の合間に焼香する」場合と「読経が終わり次第に焼香となる」場合の2つパターンがあります。
どちらにせよ、「では焼香を遺族から順番にどうぞ」といったように読経中のお坊さんから指示がありますので、お坊さんに従うようにしましょう。
焼香のタイミングについては、読経開始前にお坊さんと打ち合わせしてくこともオススメします。
読経の終了
読経(または焼香)が終わると、お坊さんが「法話」をしてくれることがあります。
法話(ほうわ)とは、仏教において使われる言葉であり、僧侶や住職が聴衆の前で話をすることを意味する。仏法を賛嘆するもので、話のテーマを讃題という。
昔の法話は、仏教についての話が多かったみたいです。
しかし近年では、「人が亡くなったら魂は、どうなるのか?」や「魂とは一体どのようなものか?」などの一般的な話をしてくれることが多いです。
私の場合もお坊さんから上記のようなお話をいただきました。
お坊さんが自宅に到着時にお布施とお席料を渡していなかった場合は、帰るタイミングでお渡ししましょう。
お坊さんが帰宅
読経、法話が終わるとお坊さんが帰宅されます。
昔は、お坊さんも通夜振る舞いに参加するのが通常だったようですが、近年では通夜振る舞いには参加しないことが多いようです。
その代わりに、お席料という形でお布施と共に現金を渡します。
通夜振る舞いの開始
お坊さんが帰り次第、通夜振る舞いの準備を始めます。
喪主は、通夜振る舞いで食事を提供する部屋に遺族や参列者を誘導しましょう。
また、事前にケータリングなどで食事や飲み物などが自宅に届けているかとは思いますので、それらを遺族で準備します。
準備が整い次第、通夜振る舞いが開始となりますが開始の前に軽く喪主から挨拶をすることとなります。
通夜での喪主挨拶はいくつかポイントがあるため、コチラの別記事をご覧ください。
通夜振る舞いの中締め
通夜振る舞いは、開始から2時間程度で終わることが一般的です。
そのため通夜振る舞いが開始してから1時間15分から1時間30分が経過したところで、喪主から中締めの挨拶を行います。
中締めが終わると、徐々に帰宅し始める方が出てきます。
通夜と通夜振る舞いのどちらにも参列していただいたことを感謝し、帰る際に引き出物を渡すようにしましょう。
通夜振る舞いの終了
開始からおよそ2時間が経過したところで、喪主から通夜振る舞いの締めを呼びかけてください。
「それではお時間となりましたので…」といった簡単なもので問題ありません。
みなさんお酒を飲んでいるため、タクシーや運転代行が必要であれば手配します。
帰る際に、忘れずに引き出物をお渡しするようにしてください。
完全撤収と片付け
参列者が全員帰宅された後、通夜振る舞いの片付けに入ります。
片付けといっても飲食後の食器を片したり、机やテーブルを戻すだけとなるため30分もあれば終わるでしょう。
これにて自宅通夜の全行程は終わりです。
まとめ
この記事では、「自宅通夜を執り行う際の当日スケジュール例」について説明しました。
自宅での通夜も葬儀場での通夜も、当日の内容は同じです。
しかしながら自宅での通夜は、通夜を営むスペースを確保したり、通夜振る舞い時のお席を準備したりと、何かと準備物が多いです。
これから自宅での通夜を検討されている方は、自宅通夜の準備項目について以下の記事をご覧ください。
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