本記事では、このような質問に対する回答を説明していきます。
私は2019年1月に父親を脳梗塞で亡くしました。
その際に、父親名義の銀行口座がどのタイミングで凍結されてしまうのかヒヤヒヤした経験があります。
それは家族の生活費や貯金が父親名義の口座で全額管理されており、葬儀費用分の現金を手元に準備することができないとわかっていたからです。
この記事では、今そのような状況を目の前にしている方に経験者である私から、次の3つについて説明していきます。
- 銀行口座が凍結されるタイミング
- 現金を手元においておくべき理由
- 凍結前に現金を引き出す際の注意点
特に「3.凍結前に現金を引き出す際の注意点」には必ず目を通してください。
銀行口座が凍結される前に現金を引き出し、使い込んでしまった場合、後で相続人に間でトラブルになるケースも多いです。
それではさっそく本題に移っていきましょう。
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銀行口座が凍結されるタイミング
銀行口座の契約主である名義人が亡くなってしまうと、銀行口座は早くて翌日、翌々日には停止してしまいます。
明確には数日以内に凍結されることもあれば凍結されないこともあり、ほとんどの場合は自ら連絡しない限り凍結されないという認識で問題ありません。
そもそもなぜ銀行口座が凍結してしまうのでしょうか?
それは銀行口座の預金は、「相続の対象」となります。
銀行は、口座名義人の逝去を知ると、口座凍結・取引停止により相続争いに巻き込まれるのを防ぎます。
この記事を閲覧されている多くの方が、「凍結されてしまうのではないか?」と気になるタイミングは、恐らく「死亡届の提出時」ではないでしょうか。
死亡届の提出で銀行口座は凍結されるのか?
この疑問に対する答えからお伝えすると、死亡届の提出によって銀行口座は凍結されることはありません。
死亡届の提出先は市区町村役場の市民課であることがほとんどで、国が管理する行政機関から民間企業である銀行に対して個人情報が開示されることは原則ありません。
そのため銀行側も口座名義人が「死亡した」ことを知ることができません。
原則と記載しましたが、原則ではない場合はどういった時か?
例えば、この文脈における「原則ではない場合」
とは、訴訟や役場の上位機関である国家機関の官庁からなどの要請で強制的に開示されることはあるかもしれません、という高いレベルの話です。
亡くなった時点で裁判の渦中だったり、金銭が絡む事件性のあった死だった場合には、もしかすると凍結されてしまう可能性があります。
理由として挙げられる点としては、死亡届が市区町村役場に提出されると、提出先の役場から税務署にも「死亡」という事実が通達されるからです。
死亡者の銀行口座が税務署から差し押さえの対象となっていた場合、死亡の通達と同時に差し押さえの連絡が銀行側にも伝えられることとなります。
この場合、どちらも国が管理する機関ですので、個人情報の流出には当てはまることはありません。
仮に税務署から差し押さえの対象となっていた場合、死亡届の提出は関係なく数日中に凍結されることですので、この場合は諦めるしかありません。
新聞の訃報欄に掲載で凍結されるのか?
これは実際に私が身を以て体験したことでもあるので、信憑性がかなり高いです。
しかしながら保持している全ての銀行口座が凍結されるわけではなく、1箇所のみでした。
さらに東北にある小さな街だったということで、場所が場所だけに世の中のほとんどの人が知らない名前の地方信用金庫の口座でした。
おそらく地元発行の新聞は毎日チェックしているのかと思いますので、地方都市でかつ小さな街に住んでいる方は気をつけるようにしてください。
凍結までの流れですが強制的に即刻凍結というわけではなく、まずは確認の電話がかかってきて、電話口で亡くなった事を伝えると口座凍結という流れでした。
ここで一つ疑問が生まれませんか?
それは仮に「友人や親戚が銀行に勤務していた」場合です。
知人が銀行勤務で死亡が知られたらどうなる?
それは個人の采配が大きく関係するということです。
例えば銀行に勤務している知人が職場内で「どこどこの旦那さん/奥さん、亡くなったみたいよ」と話したとすると、そこから漏れてしまう可能性もあります。
そのため勤務している友人が「話す」か「話さない」かに采配が大きく関係するということです。
新聞の訃報欄のように亡くなったことが、一般的に公開された時点でも凍結されることもあります。
町内会の掲示板や回覧板からバレてしまう?
東京や大阪などの大都会ではあまり考えられませんが、地方では町内会の掲示板や回覧板に、どこどこの町内に住んでいる方が亡くなったと記載されることがよくあります。
新聞の訃報欄で逝去が掲載された場合と同程度の可能性でしょう。
しかしながら私がお願いした葬儀社の担当さんから聞いた話であれば、実際に何度かあった話だそうです。
このように、狭い範囲内だったとしても逝去を公開することで銀行から確認の電話が入ることがあるようです。
また葬儀社の担当さんは、次のようなことも話しておりました。
葬儀や通夜の案内看板からバレてしまう?
(img)葬儀案内掲示板の例
通夜や葬儀を執り行う際葬儀場までの案内として、路上各所に設置されている看板を見たことある方も多いと思います。
「鈴木家 葬儀会場」とだけ記載されていることもありますが、「鈴木 一太郎 葬儀会場」とフルネームで大きくわかりやすいように書かれていることもあります。
なんと、このような路上の看板から銀行の担当者が見つけてしまうこともあるということです。
現金を手元においておくべき理由
現金を手元に置いておくべき理由…
それは通夜や葬儀告別式・精進落としには大金がかかってくること。
そして支払い時はクレジットカードを受け付けずに銀行振込や現金だけという葬儀社も多いからです。
私がお願いした葬儀社も支払いは、銀行振込または現金のみでクレジットカードでの支払いは受け付けていませんでした。
たとえクレジットカードの支払いを受け付けていたとしても数百万の支払いとなるため、クレジットカードの上限的にも難しい方は多いでしょう。
こういった状況で、かつ亡くなった方の銀行口座にまとまって貯金されている場合は、凍結前に一刻も早く引き出しておくべきです。
凍結前の銀行口座から預金を引き出しする際には、気をつける点があります。
これらは後々、ドロドロの相続争いを防ぐために注意が必要です。
凍結前に現金を引き出す際の注意点
基本的に銀行口座の預金は、遺産相続の対象となります。
本記事の冒頭でもお伝えしましたが銀行側は口座の名義人が亡くなった事を知ると、相続争いに巻き込まれる事を防ぐために、口座を凍結させ取引を完全に停止させます。
口座の凍結が解除されるのは、遺産相続の手続きが完了し、法定相続人が確定した後となります。
遺産相続は、法定相続人の確定完了までの期限を原則として3ヶ月以内に定められていることから、銀行口座は一度凍結してしまうと最低でも数ヶ月間は凍結されたままで銀行から預金が引き出せなくなると覚えておいてください。
現時点で銀行口座が凍結しまっており、相続人も確定していないが、生活費が不足しているなど、どうしても預金を引き出す必要がある場合、状況によっては凍結中の口座から預金を引き出すことも可能です。
預金の引き出しには、必要な情報や的確な手続きが必要となることから専門家によるアドバイスを強くおすすめします。
・司法書士
遺産相続対象の現金を引き出し、葬儀代や諸々の手続きを行う場合、後々に相続争いに発展する可能性があります。
特に遺言書がなく、相続対象となる親族に相談なく引き出して使い込んでしまった結果、窃盗罪や詐欺罪、横領罪などに問われてしまうこともあるようです。
名義人が亡くなり凍結前の銀行口座から預金を引き出す場合、取り扱いには十分に注意してください。
私の経験の場合、遺言書はありませんでしたが相続先は確定しているようなものだったため、凍結前に引き出すこととなりました。
自分以外の相続対象先の人物が全員亡くなっていた場合、遺言書がある場合には引き出すことも選択肢に入りますが、あくまでも「自己責任」としてください。
引き出す目安金額は?
引き出す金額ですが、数ヶ月間生活に困らない程度の資金と諸々の葬儀全体の費用がまかなえる程度で良いです。
葬儀全般にかかってくる費用に関しては以下の記事をご参考ください。
葬儀の費用はいくらかかる?私の経験では103万円かかりました。
葬儀費用を考えると、引き出す合計金額は、100万円~300万円になることがほとんどだと思います。
引き出す際や自宅での管理時には、盗難や泥棒に十分注意するようにしましょう。
自宅に現金を管理する際、注意すること
お葬式中の留守を狙った泥棒や空き巣が最近ニュースでも話題になり目立っています。
特に新聞の訃報欄や町内の掲示板などで逝去を一般公開する際には、香典を目当てにした泥棒にとっては格好のターゲットになりますので十分注意してください。
葬儀社の担当さん曰く、香典泥棒の話も頻繁に聞くみたいで、特に配偶者が逝去したことにより一人暮らしになってしまう方は「セコム」や「ALSOK」に加入検討する方も多いそうです。
私はまだ契約しておらず現在検討中の段階ですが、加入するとなると以下のプランがおすすめです。
・セコム
・アルソック
私が検討中で上述のホームセキュリティサービスを契約していない理由は、正直なところ資金的な余裕がないことが挙げられます。
そういったことから、お恥ずかしい話ではありますが、次に紹介するようなシールで今のところ対応しています。
・アルソック公式シール
https://www.amazon.co.jp/dp/B0091FTIJ4/
・ダミーカメラと防犯シール
https://www.amazon.co.jp/dp/B07CJ7C97L/
https://www.amazon.co.jp/dp/B07HWRY4CX/
https://www.amazon.co.jp/dp/B07F37SZ2C/
https://www.amazon.co.jp/dp/B07M615LYB/
まとめ
この記事のまとめです。
親や家族が亡くなったら一刻も早く銀行口座から現金を引き出しましょう。
しかしながら、数ヶ月分の生活費や諸々の葬儀代全般を支払うだけの現金が準備ができない場合に限るべきです。
なぜならば、名義人が逝去後の銀行口座預金は相続の対象になるからです。
相続の確定前に預金を引き出してしまうと、その後ドロドロの相続争いに発展してしまう可能性もあります。
更に預金を引き出しできるからといって使い込んでしまった場合には、窃盗罪や横領罪として法的に裁かれてしまうこともあるので取り扱いには十分に注意しましょう。
どうしても引き出す必要がある場合には、口座が凍結中であっても司法書士事務所などを通じて法的な手続きを取る事をおすすめいたします。
葬儀中の泥棒や喪中を狙った香典泥棒も増加していますので、無事に現金を引き出した後も金庫に入れておいたり、アルソックやセコムなどの警備会社のホームセキュリティに加入することをおすすめします。
しかしながらホームセキュリティは金額的に難しいこともありますので、2000円程度で購入可能なアルソックの公式防犯シールやダミー防犯カメラで対策しておきましょう。