自宅通夜を経験したばかりの喪主が、通夜に必要な準備物を書き留める。

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管理人Shinoto
こんにちは、管理人のShinotoです。

2019年1月、私の父親は重度の脳梗塞を発症し、そのまま息を引き取りました。
私は当時25歳、他人のお葬式も参列したことがないまま長男ということで人生で初めての喪主を務めました。

通夜と葬儀告別式の違いも一切理解しておらず、とても大変で慌ただしい数日間でした….。

こういった背景から、この記事では初めて喪主を務める方が通夜前日までに必ず知っておくべき
次の5つに関して経験者である私からお話させていただきます。

  1. 死亡直後から通夜前日までの準備事項
  2. 通夜当日の簡単な流れと内容
  3. 準備する際の注意事項
  4. 喪主として通夜を迎える心構え

はじめに注意書きとなりますが、通夜には「葬儀場での通夜」と「自宅での通夜」の2種類があります。
私は「自宅での通夜」を経験しましたので、本記事では「自宅での通夜」を中心に書いていきます

死亡直後から通夜前日までに準備が必要なもの

家族が逝去した後、通夜当日を迎えるまでに準備しなければいけないことは本当に多いです。

基本的には葬儀屋さんと連携しながら進めていくこととなりますが、ご自身のみで対応しなければいけない部分や注意事を説明していきます。
葬儀屋さんにお任せしっぱなしですと、勝手に進められてしまい後々に後悔してしまうなんてことも多いので要注意です。

通夜前日までの準備物について詳しく見ていきますが、まずは「死亡から通夜当日までの準備項目」を紹介します。
説明していく順番ですが、準備の流れや取り掛かるべき順番となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

  1. 葬儀社への連絡
  2. 遺体の搬送依頼
  3. お坊さんへの連絡
  4. 参列者への連絡
  5. お坊さんへのお布施・お席料の準備
  6. お食事や飲み物(ケータリング)の手配
  7. 引き出物の選定と手配
  8. 通夜当日の挨拶準備
  9. 参列者を受け入れるためのスペース作り

それでは次に、これら1つずつを詳細に見ていきます。

葬儀社への連絡

葬儀を執り行うために、葬儀社へ連絡します。
具体的な連絡内容としては、「家族が逝去し、葬儀を執り行う必要があるため、明日・明後日・明々後日あたりで都合がつくかどうか」について確認します。

私の経験の場合は、父親が病院の集中治療室で息を引き取り、その場で死亡の確認が完了したため、病院から葬儀社に電話で直接連絡という流れでした。
驚いたことに病室で医師による死亡が確認されると、葬儀社とやりとりを担当するコーディネーターのような人を病院側で手配してくれました。
基本的に大きな病院であれば、逝去後の手続きをスムーズにするために専門的に担当するスタッフが24時間待機しているみたいです。

この専門担当者は、葬儀社に連絡を取り、病院に霊柩車を手配するあたりまで担当してくれますが、それ以降はあなたが葬儀社の担当者と直接やりとりをするようになります。

もし専門の担当者がいない場合でも、逝去後の流れは担当の看護師さんが助言してくれるとは思います。
病院側で何も言ってこないということはないかと思いますが、念のため「この後はどうすれば良いのでしょう…」と聞いてみても良いでしょう。

遺体の搬送依頼

葬儀社へ連絡をし、通夜・葬儀告別式の日程的に問題がない場合は、次に遺体の搬送依頼と実際の搬送となります。

葬儀社の霊柩車が病院に到着すると、遺体は「自宅」か「葬儀社」のどちらかに搬送されます。

私の場合は葬儀社の都合上、自宅での通夜でしたので遺体は病院から自宅に搬送されました。
霊柩車が自宅へ到着すると、遺体が自宅の一室に運ばれます。

この時、便宜上の観点から自宅の玄関から一番近くて、かつ広い部屋が遺体の安置所となることが多いです。

遺体が葬儀社に搬送される場合は、すでに安置所が準備されているはずですので、その安置所に自動的に安置されることとなるでしょう。

お坊さんへの連絡

通夜・葬儀告別式で読経をお願いするお坊さんを決めます。

先祖代々お世話になっているお寺さん、既に知り合いのお坊さんがいるのであれば、そちらに連絡することをお勧めします。

連絡時に通夜・葬儀告別式の日程や時間など、お寺さんの都合も確認する必要があるので注意しましょう。

また火葬場での火葬日時の都合もありますので、同時に火葬場の混み具合についても考慮しておくようにしてください。

お寺さんに連絡する前に、葬儀社の担当者と「火葬場の都合」と「通夜・葬儀告別式」の日時を確認するようにしてください。

お付き合いのあるお寺さんがいない場合や、お世話になっているお寺さんが地理的に遠い場合には、僧侶派遣サービスというものもあります。

「え、そんなサービスあるの?」

「派遣って怪しくない?」

と私も少し怪しく思い、ちょっと調べてみました。

サービスの実体としては、最寄りのお寺さんからお坊さんを手配する「お寺の紹介サービス」に近いので安心してください。

実はAmazonなどの大手も参入するほどの市場になっており、時代のニーズに沿ってテレビのニュースでも取り上げられているみたいです。

おすすめのサービスは、コチラです。

僧侶派遣はこちら

参列者への連絡

通夜・通夜振る舞いに参列いただく方々へ連絡します。

案内状を送ることが一般的ですが、お葬式という行事は突然やってくるので、
大体の場合は、通夜の当日に案内状が届くといった事態になります。

そのため連絡は、「電話」、「メール」、「LINE」などのすぐに連絡が可能なものにしましょう。

呼ぶ人は近しい親族・本当に仲の良かった友人で、自宅の大きさも考えると10名~15名ぐらいに落ち着くと思います。

私の場合、父親が亡くなったので父親の兄弟、姉妹、その夫妻や子供たち、母親の兄弟を数名呼びました。

その他、故人の近しい友人や、ご近所さんを呼んでも問題ないでしょう。

お坊さんへのお布施・お席料の準備

お寺は、お坊さんが「お経を読むこと」でお金を稼ぐような自営業スタイルに近いです。

そのため通夜への読経代金として、お布施(※1)をお渡しする必要があります。

読者1
「通夜のお布施やお席料っていくらぐらいが妥当なの?」

このように疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?

私の経験を少しお話しすると、通夜・葬儀告別式の読経は先祖代々お世話になっているお寺さんにお願いすることとなりました。

しかしながら、お寺さんからは「通夜のお経代はXX万円で、お葬式はYY万円で….」といった明確な金額の提示はありません。

「すみません、いくらですか?」と聞けば教えてくれるかとは思いますが、基本的には「暗黙の了解」的な雰囲気があることを覚えておいてください。

結論からお伝えすると、私の場合は通夜のお布施に3万円、お席料(※2)に5000円の合計3万5000円をお包みしました。

葬儀社の担当の方に「平均的な金額はいくらですか?」聞いてみたところ、
お布施の相場は3万円、お席料は5000円ということで合計3万5000円が通夜のお経代となります。

この金額は地方間での差はほとんどなく、全国的な平均・相場値となっているとのことでした。

お布施に関しては3万程度が相場で、お金持ちだったしても5万円が限度、お席料に関しては食事代なので相場が5000円となっているみたいです。

※1 お布施とは?
お坊さんにお経を読んでもらうための費用です。お経代と考えていただいて問題ありません。
※2 お席料とは?
通夜や葬儀告別式ではお食事を振る舞います。昔はお経を読んでいただくお坊さんにも出席してもらっていたそうですが、最近では出席しない例が多く、その分を「お金」として徴収する仕組みだそうです。比較的若い私からすると謎のシステムですね…
別に払わなくても良いかと思いますが、その後のお寺さんとの関係が悪化すると葬儀告別式、その他の法事に支障が出るかもしれませんので5000円ぐらいであれば払っておきましょう。食事に呼んだとしてもお坊さんの分が5000円ぐらいはかかってきますので….^^;

お食事や飲み物(ケータリング)の手配

通夜振る舞いとして準備しなければいけないのは、食事と飲み物の手配です。

昭和や平成初期の時代には「遺族やご近所の方が総出で料理をする」なんていうことが一般的だったみたいですが、
ご近所との付き合いも希薄になっている現代ということで時代があっていないこと、
通夜当日は、あまりにも忙しすぎて調理なんてしている暇はないので、
基本的にはケータリングなどの取り寄せ一択となるでしょう

ケータリング業者や、お近くのお惣菜屋などで事前にオーダーしておきます。
食事のメニューは、「寿司」、「漬物」、「お吸い物や味噌汁」、「オードブル」が定番です。

上記の食事に合わせて、「飲み物」の注文も必要です。
基本的にはケータリング業者や、お惣菜屋などでも用意してあるはずですので、一緒にオーダーできそうであればお願いしてしまった方が楽です。

業者のほうで「飲み物」は受け付けていないようであれば、酒屋でオーダーするなりスーパーで買うなり、葬儀社の担当にお願いして使い走るなりしてください。
私の場合は「飲み物」を注文し忘れており、通夜前日にスーパーで取り揃えてしまいました。

飲み物を注文する際のポイントとして挙げられることは、ノンアルコール中心でビールなどは少なめにしておくことです。

というのは世の中、酒好きでしかも酒癖の悪い人って意外と多くいるんですね。
飲み始めると止まらなくなって、態度も豹変して、しまいには暴れ出したり、その場で寝てしまったり、、、。

通夜の振る舞いに呼ぶ人は長い付き合いの方も多いので、ある酒癖に関してある程度知っているのであれば別ですが、
飲みすぎて泥酔や暴れ出してしまっては困るので、お酒はできる限り少なめに、ジュースやノンアルコールを中心に取り揃えておくことをオススメします。

具体的な銘柄にすると、、、

  • ノンアルコール飲料
  • 瓶ビール
  • オレンジ・りんごジュース
  • 烏龍茶や緑茶

あたりで良いかと思います。

受け取り日時は、通夜当日の参列者が集合する1時間前ぐらいに設定しておくようにしましょう。

引き出物の選定と準備

通夜にご参列する方は、必ずと言っていいほど香典やお供え物を持参してきます。
一般的に香典やお供え物をいただいた場合、その場で「お返し」することが必要となります。

そのため、参列予定者の数に合わせて引き出物も準備しておくことになるでしょう。

引き出物の金額は全国的に平均が同じで、一つあたり約1500円~2000円のものと考えておいて問題ありません。

商品の選定は、お願いしている葬儀社でカタログが準備されていたり、
無い場合でも近くのギフトショップを紹介してくれますので、葬儀社の担当者さんに聞いてみることをオススメします。

通夜当日の挨拶準備

通夜当日には、故人の親戚をはじめ、生前に付き合いがあった方やご近所の方までいらっしゃいます。
翌日に葬儀告別式があると思いますので、ここでは長々とした挨拶は必要ではありませんが、最低限の挨拶は必要です。

具体的には、以下の3回が考えられます。

  1. 通夜振る舞いの会場に移動する際
  2. 通夜で振る舞う食事の「前」
  3. 通夜で振る舞う食事の「後」

通夜の挨拶に関しては、詳しい記事があるためこちらからご覧ください。

参考記事 例文10パターン無料公開!お通夜での挨拶のコツと文章の作り方

参列客を受け入れるためのスペース作り

自宅で通夜を執り行う場合、参列客を受け入れるスペースを確保する必要があります。

広い家に住んでいる方は、整理整頓・掃除だけで済みますが、一般的な家に住んでいる方はスペース作りから始めます。

私の場合、そこまで自宅は大きくなかったため、掃除と整理にはかなり時間がかかった方で半日ほどかかりました。

広間となるところが畳でしたので参列者分の座布団(25人分)も必要になり、更に足が不自由な方もいたので、畳に座らなくても良い椅子も準備しました。

葬儀の参列者となると、どうしても年齢層は高くなってしまうのでこのような配慮は必要です。

通夜当日の流れ

それでは次に、通夜当日のスケジュールについて見ていきましょう。

以下は、私の体験をもとにした実際の通夜当日のスケジュールです。

通夜当日の詳細に関しては、こちらの別記事にまとめましたのでよろしければご覧ください。

通夜当日のスケジュール

通夜開始時間が17時を予定していた場合、このようなスケジュールになることがほとんどです。

時間 項目 内容
午前中 ~ 16時まで 通夜の準備 部屋の片付け、通夜振る舞いの食事を受け取るなど、参列者の受け入れ準備を行います。
16:00 ~ 16:30 参列者が集合 通夜の案内状を送った親族や近しい方が徐々に集まり始めます。
16:50 お坊さんが到着 読経をお願いしたお坊さんが自宅に到着します。
17:00 読経の開始 お坊さんによる読経が始まります。
17:40 参列者の焼香 参列者による焼香の時間です。
17:45 読経の終了 お坊さんによる読経が終わります。
18:00 お坊さんが帰宅 読経が終わり次第、お坊さんが帰宅します。
18:15 通夜振る舞いの開始 通夜に参加いただいた方にお食事を提供します。
19:45 通夜振る舞いの中締め 約1.5時間程度で喪主から中締めの挨拶をします。
20:00 通夜振る舞いの終了 お食事が終わります。
20:30 完全撤収と片付け 参列者が帰宅し、食事後の食器を片付けるなど、通夜が終わります。

関連記事 自宅通夜

通夜の準備をする際の注意事項

通夜や葬儀は、故人が亡くなってから数日以内に行われます。

この記事では「通夜の準備」に焦点を当てて説明してきましたが、同時に「死亡後の手続き」や「葬儀」の準備等も発生します。

簡単にですが、いくつか以下で挙げてみます。

  • 死亡届の提出
  • 火葬許可申請書の提出
  • 葬儀形式、人数、当日の内容の決定
  • 精進落としの場所を確定
  • 香典返しの選択

葬儀の準備や死亡後の手続きの詳細については参考記事をご覧ください。

参考記事1

参考記事2

喪主として通夜当日を迎える心構え

喪主は、葬儀全体に関わる指揮権、決定権を持ちます。

そのため喪主は「葬儀」という行事の代表者となり、葬儀を進行する上で欠かせない存在となります。

自宅通夜の場合、進行役なども同時に行うために当日の進行や流れについても完全に把握している必要があります。

前日までに通夜当日の流れを頭に入れて、当日のイメージトレーニングをしておくことをオススメします。

喪主からの挨拶は、普段から喋り慣れていない場合に緊張することが予想されるので、事前に文章を作成して練習をしておきましょう。

故人が亡くなった現実を受け止めることができず、気持ちが落ち着かない方がほとんどだと思います。

私は通夜前日に1人で泣き散らしたことから、ストレスが軽減できたのか、
通夜当日はウルっときたところはありましたが、号泣などはなく進行することができました。

喪主として役目を果たそうという気持ちが強かったのかもしれません。

通夜前日までに準備すること + 次の3つも心の準備として考えておきましょう。

  • 当日のスケジュールを紙に書き出し、把握しておく。
  • 喪主の挨拶を練習しておく。
  • 精神的に不安な場合は、泣いてストレスを発散しておく。

まとめ

それでは本記事のまとめです。

この記事では、喪主や遺族が準備しなければいけない通夜の準備物について、以下の9つを説明いたしました。

  1. 葬儀社への連絡
  2. 遺体の搬送依頼
  3. お坊さんへの連絡
  4. 参列者への連絡
  5. お坊さんへのお布施・お席料の準備
  6. お食事や飲み物(ケータリング)の手配
  7. 引き出物の選定と手配
  8. 通夜当日の挨拶準備
  9. 参列者を受け入れるためのスペース作り

上記は、自宅通夜を執り行う場合のものですが、葬儀社での通夜もほとんど変わらない流れとなっています。

また、通夜の準備と同時に死亡後の手続きや葬儀告別式の準備も並行して行う必要があります。
具体的には以下のような項目となるでしょう。

  • 死亡届の提出
  • 火葬許可申請書の提出
  • 葬儀形式、人数、当日の内容の決定
  • 精進落としの場所を確定
  • 香典返しの選択

故人が亡くなって数日以内に通夜が執り行われますが、気持ちが不安定な状況で、
葬儀の準備など慣れていないこともあり、非常に大変な数日になるだろうと思います。

喪主として通夜を無事に進行するためには、心を落ち着けることも大事です。
よろしければ、以下の記事もご参考にして通夜に向けて準備してみてください。

関連記事 親や家族の死を経験した直後の精神的なショックをどう乗り越えるか?

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