葬儀告別式の挨拶例文10パターン付、喪主経験者によるポイントの伝授

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管理人Shinoto
こんにちは、管理人のShinotoです。

この記事では、

葬儀告別式の喪主からの挨拶作成に困っている方
当日緊張することが目に見えている方に、

挨拶文の例文パターン

をご紹介します。

そして喪主経験者である私から、これから挨拶をする皆様に当日までの心構えとして、いくつかアドバイスをさせていただきます。

例文のご紹介の前に、少し挨拶の本質をお話しさせてください。

喪主挨拶の本質とは?

なぜ葬儀告別式で喪主が「挨拶」をしなくてはならないのか?

理由は以下の2つになります。

  • 突然の訃報にも関わらず、忙しい中参列してくださったことに対してのお礼を伝える
  • これまでの故人と同様に、遺族である我々ともお付き合いくださるようお願いする

この2点を重んじて挨拶文を作成する必要があります。

あなたが仮に「参列の感謝もない、今後のお付き合いも全く必要としていない」ということであれば一言「本日はありがとうございました」と述べるだけで問題ありません。

私がお世話になった葬儀社の担当者も「実は、意外と一言で終わる方も多いんですよ」と言っていたように、何気に多いみたいですね。

あまりあっさりしすぎていても、せっかく参列いただいた方が気の毒ですので、
この記事後半の例文をそっくりマネていただき、しっかりとした挨拶をするように心がけましょう。

喪主挨拶の基本構成

挨拶は、以下の5段階から構成されるのは一般的です。

  1. 喪主の簡単な自己紹介
  2. 参列いただいた方への感謝
  3. 簡潔な故人の亡くなるまでの経緯
  4. 故人に代わり生前のご厚誼(こうぎ)へのお礼
  5. 結びの挨拶

喪主挨拶の一般的な時間

喪主の挨拶は、時間にして1分~5分、長くとも10分以内に収まるように作成します。

聞き手が最も理解しやすい話すスピードは、1分間に300文字と言われているので3分お話しする場合は900文字を目処に作成してください。

ちなみに私の場合ですが実際に作成した文章の文字数が944文字で、当日ゆっくりめに話したこともあり4分前後の挨拶となりました。

基本構成別のポイント!

上記でご紹介した、5つの構成を段階別で深掘っていきます。

1. 喪主の簡単な自己紹介

参列者は親族や故人と近しい関係者がほとんどです。

顔見知りの方も多いかと思いますので、ほんの1言、文にすると1文~2文で問題ないと考えてください。

具体的には故人にとって、あなたはどういった関係性なのかを明示ことです。
それでは以下が、参考文となります。

「故人、『鈴木 達郎』の長男、『鈴木 太郎』でございます。」
「遺族を代表いたしまして、この場をお借りして私より皆さまにご挨拶申し上げます。」

あなたの故人との関係性、名前を最初に伝えます。
次に、定型文として挨拶に入る文を伝えます。

2. 参列いただいた方への感謝

簡単な自己紹介が済んだ後、ご参列いただいた方へ感謝のお礼を伝えます。

自己紹介と同様に、1文~2文で構いません。

「まず初めに、本日は突然の訃報にも関わらず非常にお忙しい中、父、『達郎』の葬儀告別式にご会葬いただき誠にありがとうございました。」
「皆様のご協力もあり、ここまで無事に葬儀告別式を執り行うことができました。」

「ご会葬(かいそう)」という言葉に少し堅さを感じる方は、代わりに「お越しいただき」という言葉を使っても問題ありません。

普段使わない「ご会葬」という言葉は、言いづらかったり緊張や不安が多い当日には噛んでしまう可能性が高いです。

そのため無理に使い慣れない言葉は使わずに、「お越しいただき」で代用することをおすすめします。

3. 簡潔な故人の亡くなるまでの経緯

どこどこの病院で、何時何分に、などと詳細までお伝えする必要性は特にありません。

しかし遠方に住んでいる親戚や普段から交流が盛んではないお知り合いの方にとっては、突然の訃報に驚きながらご会葬されている方も多いと思います。

そのため簡潔に亡くなってしまった経緯をお話しします。

「父は2年ほど前にすい臓がんを患い闘病を続けておりましたが、回復の祈りが届かず、○月○日に息を引き取りました。享年64歳でした。」
「入院中、多くの方に温かいお見舞いを頂戴しました。この場を借りて深く御礼申し上げます。」

亡くなってしまった理由、経緯、病名などは、あくまでも簡潔で問題ありません。
享年などの年齢をお伝えすることも一般的です。

4. 故人に代わり生前のご厚誼に対するお礼

記事の冒頭で、喪主の挨拶は「参列いただいた方への感謝を伝え、今後も変わらないお付き合いをお願いする場」であるとお伝えしました。

5段階構成の中で、ここは最も重要なポイントとなります。

感謝と今後のお付き合いをお願いする中に、生前の故人のエピソードも合わせて盛り込みます。

ここでは故人のエピソードを盛り込んでいませんので、詳しくは記事後半のパターン別例文をご覧ください。

「生前、皆さまには、父『達郎』が何かとお世話になりました。」
「父に代わりまして、私から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」
「ついこの間まで元気にしていた姿を想像すると、私どもは今だに亡くなったことが信じられない気持ちでいっぱいですが、残された家族全員で力を合わせて今後を過ごしていきます。」
「残された我々遺族に対しましても、故人の生前と同様に皆様のお力添えをいただければ幸いです。」

故人の友人や親族と今後のお付き合いを続けていくのは、遺族であるあなた方です。
初めて経験する喪主や葬儀後の手続きは思ったより難航する場合もあるので、ご友人や親族に頼る意味も含めて、今後のお付き合いのお願いを挨拶に含めるようにしましょう。

5. 結びの挨拶

挨拶の締めとして、結びの言葉を添えます。
ここでは特に個性は出さなくとも決まり文句がありますので以下のような文言になります。

「結びの言葉とさせていただきますが、改めまして本日はご会葬いただきありがとうございました。」
「心より御礼申し上げます。」
「それではこれにて、喪主『鈴木 太郎』からの挨拶に代えさせていただきます。」

故人のエピソード例文

喪主の挨拶を作成するときに最も苦労する点は、「故人のエピソードでどのような逸話を話せば良いのか?」や、「話すべき思い出の深さや長さはどうしたら良いの?」だと思います。

このパートでは、以下の2つの方程式に基づいて故人のエピソードを作成、そして上述の定型文と合わせて秒速で喪主の挨拶を作成します。

故人によって変わる箇所 = 亡くなってしまった原因 x 対象者の逸話
喪主の挨拶 = 定型文 + 故人によって変わる箇所

この2つの方程式を織り交ぜると、以下のような文になります。

始まりの定型文

「故人、『鈴木 達郎』の長男、『鈴木 太郎』でございます。」
「遺族を代表いたしまして、この場をお借りして私より皆さまにご挨拶申し上げます。」
「まず初めに、本日は突然の訃報にも関わらず非常にお忙しい中、父、『達郎』の葬儀告別式にご会葬いただき誠にありがとうございました。」
「皆様のご協力もあり、ここまで無事に葬儀告別式を執り行うことができました。」

故人によって変わる箇所

亡くなってしまった原因

「父は2年ほど前にすい臓がんを患い闘病を続けておりましたが、回復の祈りが届かず、1月1日に息を引き取りました。享年64歳でした。」
「入院中、多くの方に温かいお見舞いを頂戴しました。この場を借りて深く御礼申し上げます。」

対象者の逸話

「生前、皆さまには、父『達郎』が何かとお世話になりました。」
「父に代わりまして、私から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」

結びの定型文

「ついこの間まで元気にしていた姿を想像すると、私どもは今だに亡くなったことが信じられない気持ちでいっぱいですが、残された家族全員で力を合わせて今後を過ごしていきます。」
「残された我々遺族に対しましても、故人の生前と同様に皆様のお力添えをいただければ幸いです。」
「結びの言葉とさせていただきますが、改めまして本日はご会葬いただきありがとうございました。」
「心より御礼申し上げます。」
「それではこれにて、喪主『鈴木 太郎』からの挨拶に代えさせていただきます。」

亡くなった原因別

病気(突然だった時)

「故人は8月10日に自宅で脳梗塞を発症し、病院に運ばれ10日ほど入院しておりましが、闘病の甲斐なく息を引き取りました。」
「享年60歳でした。私どもといたしましても突然のことで非常に驚いております。」
「入院中、意識は途切れ途切れで会話もままならない状態でしたが、わたくしにとって最後に一言二言会話できたことが唯一の慰めだと感じております。」
「入院中、多くの方に温かいお見舞いを頂戴しましたこと、この場を借りて深く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」

病気(闘病生活が長かった時)

「故人は3年ほど前に大腸ガンを患い、入退院を繰り返しながら闘病しておりました。」
「手術も受け、一度は完治したと思ってはいたものの半年ほど前に転移していたことが発覚し再度入院、そのまま8月15日に息を引き取りました。」
「享年73歳でした。」
「入院中、多くの方に温かいお見舞いを頂戴しましたこと、闘病中の故人にとっては大きな励みになったかと思っております。」
「この場を借りて深く御礼申し上げます。本当にありがとうございました」

老衰

「故人は8月15日の早朝、老衰のため87歳で息を引き取りました。」
「この頃、体調が少し優れない時もございましたが、亡くなる前日はいつもと変わらず1日3回の食事を摂り、テレビを観たり、日課となっていた散歩にも出かけておりました。」
「家族といたしましては、1日でも元気に長生きして欲しかった思いもございますが、苦しまずに大往生と言える最後を迎えたことは何よりの慰めと感じております。」

不慮の事故

「故人は8月15日の明け方、仕事に向かうために車を運転していたところ不慮の交通事故に巻き込まれ、還らぬ人となりました。」
「あまりにも突然のことで、私がこの場に立って皆様の前でご挨拶を申し上げている事実も信じられず、ただただ驚いております。」
「不慮の事故という残念な出来事ではありますが、同時に故人にとってもわたくしども家族を残して亡くなってしまったことがどれだけ無念だったか計り知れません。」
「故人の気持ちに報いるためにも、残された遺族にできることを心に誓います。」

対象者の逸話

故人が父親

「私は子供の頃から、働く父の姿を見ながら育ってきました。」
「思春期の頃には頻繁に言い合いになったり、一時期はあまり好きではない時期もありましたが、自分が働く身となってからようやく父の偉大さに気づきました。」
「家族のために、これだけ毎日忙しい日々を送りながら私の面倒を幼少期から長年見てくれていたのかと考えると、父親には頭があがりません。」
「一生懸命働いて、ここまで育ててくれた父親に感謝したいと思います。」「生前、皆さまには父『達郎』が何かとお世話になりました。」
「父に代わりまして遺族の私から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」

故人が母親

「母には厳しい時も優しい時も含め、今までの誰よりも強い愛情を注いでもらいました。」
「料理に洗濯、掃除、小さい頃から当たり前のものだと思って過ごしていましたが、実際に私がやる番になってからは、『毎日すごいことをこなしていたんだな』と言葉にできないほどの感謝を感じました。」
「もうこの世にはいないと考えると寂しい気持ちでいっぱいですが、母親の愛情や教えを忘れずに日々想い続けることが供養になると信じております。」「生前、皆様には母『吉子』が何かとお世話になりました。」
「父に代わりまして遺族の私から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」

故人が夫

「故人である夫とは、これまで30年間人生を共にいたしました。」
「ケンカもたくさんしましたが、楽しい時も辛い時も、悲しい時も嬉しい時も常に隣にいてくれた夫には今でも感謝しきれません。」
「これからの人生、夫との思い出を支えにして生きていきたいと想います。」
「生前、皆様には夫がお世話になったかと存じますが夫に代わってこの場で御礼申し上げます。ありがとうございました。」

故人が妻

「私どもが結婚いたしまして32年間が経ち、どんな時も妻とは苦楽を共にしました。」
「これまで家事や子育てを頑張ってくれたり、いつも私のことを気にかけて協力してくれた妻には頭が上がりません。」
「お恥ずかしい事ではございますが、妻が亡き今になってようやく、これまでの日常がどれほど幸せだったことか、身に沁みております。」
「これからの人生」
「生前は、皆さまにひとかたならぬお世話になりました。妻に代わり御礼申し上げます。ありがとうございました。」

喪主の挨拶を成功させるための最重要ポイント

記事冒頭で「参列者に感謝し、今後のお付き合いをお願いする」ことが葬儀告別式における挨拶の本質とお伝えいたしました。
本質をついた文を作成するではなく、当日の実際の場できちんと作成したものをお伝えする事が喪主の挨拶の成功と位置付けられます。

挨拶を成功させるために必要なポイントは、以下の2つになります。

  • 作成した文を紙に書く
  • しっかりと発音して練習する

「当たり前のことじゃん」と感じた方も多いと思いますが、やっておくことで驚くほどの効果が当日に感じることでしょう。

「紙に書いて当日読むことをおすすめします。前日に練習もしてください。」
「挨拶文を紙に書いてきたり、プリントしてきても、当日その場になると緊張して声がガタガタだったり、頭が真っ白になって話せなくなってしまう人が本当に多いんです。」

こちらは私がお世話になった葬儀社の担当の方が口にしていたことです。
彼は、ほぼ毎日2回、休みを除いて365日葬儀を準備、運営されているプロです。

私も人前ではすぐに上がってしまう緊張症でしたが、プロの教えに従って紙をプリントして前日に何度も練習したところ、当日は緊張もなく一言も噛まずに無事に挨拶を終えることができました。

紙に書く

挨拶文は作成したら紙に書きましょう。
しかしながら、この記事で紹介している挨拶文は全体で900文字程度、つまり原稿用紙で2枚以上の文量となりますので印刷することをおすすめします。

ネットプリントのような全国のコンビニで印刷できるサービスもあるので利用しましょう。

当日のことを考え、文章を作る際は横書きより縦書きをおすすめいたします。

お使いのパソコンの中に「Microsoft Word」が入っていればすぐに利用できる、縦書き様式のテンプレートを近々で無料配布する予定です。

前日に発声練習しておく

挨拶文を紙に書いたり、プリントしたら次に練習です。

ここでのポイントは、必ず大声で、ゆっくり、噛まずに全文言えるまでとなります。
どれだけ忙しくても15分 – 30分、必ず時間を取って練習することで当日の緊張が大きくほぐれます。

私は1人で大声で練習できるスペースが家にはなかったので、車の中で練習しました。
1回目に読んだときは、読んでいて悲しくなってしまい車の中で一人涙が溢れて声も震えて、今思うと無様な姿でした。
お恥ずかしいことに、高ぶる感情が抑えられずにその後大泣きになってしまいましたが、おかげで(?)溜まっていたストレスも発散できたのか、葬儀告別式の当日は泣かずに喪主を勤めることができました。

そして喪主の挨拶自体も1回も噛まずに冷静に読み上げることができ、親戚の方から「立派になったわね」なんていう言葉を何度もいただくことができました。
今だに信じられませんが私の亡くなった父も「お前もよく育ったな」なんて言っていたんじゃないかな、なんて思います。

まとめ

それでは、この記事のまとめです。

葬儀告別式における、喪主挨拶の本質は

  • 突然の訃報に駆けつけてくださった参列者の方々への感謝
  • 故人の友人や親戚に対して、これまでと同じように今後のお付き合いをお願いする

の2つで、挨拶文を作成するときは常に意識してください。

具体的な挨拶文は、以下の5つの流れで作成します。

  1. 喪主の簡単な自己紹介
  2. 参列いただいた方への感謝
  3. 簡潔な故人の亡くなるまでの経緯
  4. 故人に代わり生前のご厚誼(こうぎ)へのお礼
  5. 結びの挨拶

基本的には既に記事でご紹介している定型分を活用いただきますが、 「亡くなってしまった原因」や「葬儀対象者の逸話」は故人に合わせたものとしましょう。

最後に、当日の挨拶を完璧な成功にするために前日までに以下の2つを実行します。

  • 作成した挨拶文を紙に書く、またはプリントアウトする。
  • 15分 ~ 30分時間を取り、大きな声でゆっくり発音練習を行う

葬儀告別式の当日は、「ゆっくり」、「大きな声で」を意識し、挨拶に挑みます。
前の日に練習したことが知らず知らず無意識のうちに自信になっており、必ず良い結果になるはずです。

頑張ってください。応援しています。

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