葬儀費用には何が含まれる?喪主経験者が費用の内訳についてまとめてみる。

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「葬儀費用の内訳や内容にはどのようなものがあるの?」

一般的に葬儀費用はパッケージとして価格が提示されていて、どのようなものが含まれるのかわかりづらいですよね。

この記事では一般葬・公開葬の費用内訳について喪主経験者が説明していきます。

葬儀の内訳を知ることで得られるメリットは、葬儀パッケージに含まれている項目が必要か不必要かの判断ができるようになることです。

そして最終的には葬儀費用の節約にも繋がりますので、よろしければ最後までご覧ください。

管理人Shinoto
こんにちは、管理人のShinotoです。

2019年1月に父親が重度の脳梗塞を発症し、私は結果的に喪主として葬儀を経験しました。

他人の葬儀にも参列した経験がなかったことから、そもそも葬儀には何が必要かもわからず、葬儀費用も安いものではないので、

パッケージとしての葬儀費用にはどのようなものが含まれるのか、逆に含まれていないのか

について徹底的に葬儀社の担当者さんと確認し合いました。

本記事では私の経験をもとに、一般葬・公開葬の葬儀費用の内訳について詳しく見ていきます。

私の詳しいプロフィールは、こちらをご覧ください。

一般的な葬儀費用の内訳とは?

今回、葬儀費用の内訳は「支払い先」に分けて説明していきます。

葬儀の支払い先は、「お寺への支払い」、「葬儀社への支払い」、そして「その他(ギフトショップ等)への支払い」の3つに分けることができます。

それでは早速ですが、各項目について以下で見ていきます。

お寺への支払い

「お寺への支払い」は、支払いの内訳として以下の3項目を挙げることができます。

  • 戒名代
  • 読経時のお布施
  • お膳料・お席料・お車代

支払い項目の内訳については、こちらとなります。

戒名代

戒名とは、仏門に入る際に授かる名前です。

仏教式のお葬式を執り行う場合、亡くなった方は仏の世界に行くこととされます。

戒名という仏教式の新しい名前を授かることで、仏の世界に入ることが許され、かつ仏の戒律を守ることを約束する意味でもあります。

そのためお寺で名前をつけてもらう料金、命名料金とでも思っていただくと良いでしょう。

「戒名無くしては成仏も無い」と言われるほどで、仏教式のお葬式を執り行う際は必ず必要なものといっても過言ではありません。

とは言っても、この命名料金ですが非常にお高いサービスです。。。

全国的な戒名代の相場 10万円 ~ 100万円

戒名でも安いものから高いものまであり、これらは授かる名前の「位」で決まります。

代々お世話になっているお寺さんでは、ご先祖様がどのような「位」で戒名を授かっているのかを帳簿に記録しているので、実際に聞いてみると良いでしょう。

ご先祖様と同様の「位」で戒名を授かることが一般的ですが、あくまでもご先祖様の「見栄」なども含まれているため、
遺族である私たちが気にしなければ一番低い「位」で、あまりお金をかけないことをお勧めします。

ちなみにですが、私の場合、大変失礼だとわかっておきながら値段交渉をしまして。最終的な戒名代は10万円でお願いすることとなりました。

一方でそのから300mほど離れたお寺では、戒名代は一番低い「位」でも最低60万円だったというご近所さんの話もあり、金額はお寺さん次第なんだと思います。

読経時のお布施

通夜、葬儀告別式ではお坊さんがお経を読みますが、お坊さんも商売ですので無料で読経してくれるわけではありません。

この読経料金にあたるのが、「お布施」と思ってください。

読経には「枕経」、「通夜」、「葬儀告別式」の3つのタイミングがあり、それぞれに料金がかかります。

毎回終わるたびに手渡ししても良いのでしょうが、3回分を全てまとめて「お布施」としてお渡ししても良いでしょう。

おおよその感覚ですが一般的なお葬式の場合、お布施の相場は以下となるでしょう。

種類 相場金額
枕経での読経 1万 ~ 3万
通夜での読経 1万 ~ 3万
葬儀告別式での読経 2万~5万

私の経験をお話すると、まとめて10万円ということでお布施をお渡ししました。

金額に関しては、あなたがお世話になるお寺さんの住職に「すみませんが、お布施はおいくらほど….」といった感じで聞いてみると良いですよ。

お膳料・お席料・お車代

お布施とは別途に、お膳料・お席料・お車代も支払うことが一般的です。

お膳料・お席料とは、本来であれば読経していただいたお坊さんに対してお食事を準備するはずですが、その代わりとしてお渡しする謝礼金のようなものです。

一般的な葬儀形式の場合、通夜の後には通夜ぶるまい、葬儀告別式の後には精進落としという食事の場があります。

昔は読経していただいたお坊さんも食事を共にしていましたが、近年は食事は共にせずに、代わりにお膳料・お席料としてお渡しする文化に変わりつつあるみたいです。

お膳料・お席料は、通夜ぶるまいや精進落としにかかる費用と同額をお包みするようになりますが、全国的な相場として5000円と考えておくと良いでしょう。

 

一方でお車代とは、お坊さんが遠方から来ていただく場合のガソリン代や手間代としてお渡しするものです。

これらに相場はありませんが、お車代はせいぜい数千円 ~ 1万円程度と考えておきましょう。

金額感ですが、「遠くから来ていただいたことに感謝する」といった意味になりますので失礼に当たらない金額感であれば問題ありません。

また、極端ではありますが、北海道で執り行う葬儀告別式に沖縄在住のお坊さんを呼び寄せる場合、
「移動費」+「宿泊費」+「手間代」がかかってきますので、お渡しする金額はよく検討しておきましょう。

 

私の場合、近場のお寺さんにお願いしたのでお車代はお渡しせず、お膳料・お席料として5000円をお渡しいたしました。

葬儀社への支払い

それでは次に葬儀社への支払い項目について説明していきます。

葬儀社への支払いの内訳は、以下の4つに大きく分類することができます。

  • 葬儀料金
  • 返礼品料金
  • 飲食関係料金
  • その他の請負

それでは1つずつ詳細に見ていきましょう。

葬儀一式の料金

葬儀料金には、葬儀社が準備する費用全般となります。

葬儀形式によって金額感は大きく異なりますが、概算ですが以下のような金額となるでしょう。

葬儀形式 葬儀の費用感
一般葬儀・公開葬儀 80万 ~ 200万 (盛大になればなるほど高い。1000万円以上になることも)
家族葬 30万 ~ 60万
密葬 20万 ~ 40万
1日葬 30万 ~ 50万
直送 12万 ~ 20万

これらの費用は、あくまでも通夜と葬儀告別式を執り行う際の、

当日の会場費
御霊前周りの飾り付け
霊柩車の配車代
遺影写真加工費
経帷子(遺体に着せる着物)
遺体の衛生保全(ドライアイスなど)
会葬令状やお知らせ状
など

のみ含まれているため、葬儀費用にかかる全額ではないためご注意ください。

例えば、「葬儀代金」として含まれないものには次のようなものが挙げられます。

  • 火葬場使用料金
  • 供花、供物費
  • マイクロバス手配費など

火葬場の使用料は、公営火葬場に支払いますが葬儀社が代行して支払ってくれますので実際の支払い先は葬儀社となるでしょう。

火葬場の費用感は、火葬する場所によって料金が異なりますが、おおよそ3000円 ~ 50,000円程度となります。

自治体(県や市)が運営する公営火葬場だと、火葬時の使用料金は安くなる傾向がありますが、
民間企業が運営する火葬場では、料金は少しお高めで10万円を超えることもあります。

地域活性化や冠婚葬祭に力を入れている自治体では、なんと「市民であれば火葬場は無料で使用できる」なんていうこともあるようです。

結論として、最寄りに「公営火葬場」があれば、そちらを利用することをお勧めしますが、
「民営火葬場」しかない場合は搬送費用や移動の利便性を考えた上で検討しましょう。

いずれの場合も、事前に「どの火葬場を利用するのか」を葬儀社の担当と打ち合わせしておくべきで、
こちらから何も提示がない場合、勝手に決められてしまうということにもなりかねないので注意してくださいね。

供花や供物は、いわゆる「オプション費用」となりますが、葬儀社経由での注文となることがほとんどなので、結局のところ支払い先は葬儀社となります。

目安となる金額ですが、供花も供物も通常は一番安いもので12,000円、高いものでも25,000円程度となり、幅があります。

値段の幅ですが、高ければ高いほど供花の花輪が豪華になったり、供物であればサイズが大きくなったりの違いです。

参列予定の方から「供花や供物をあげたい」といった希望を受けた場合、喪主や遺族は葬儀社との間に入り、調整する必要がありますので
その際は、供花・供物のサイズや値段に関して相談して決めましょう。

返礼品(当日返し)の料金

通夜・葬儀告別式に参列いただいた方に、その場でお返しする返礼品も準備する必要があります。

これらは「会葬返礼品」、「当日返し」、「即日返し」とも言われます。

返礼品の準備ですが、葬儀社側で当日返しのカタログを用意している場合が多いので、その中から選ぶのがてっとり早いです。

近所のギフトショップで購入するのも良いですが、金額感も変わらない上に手間ばかりかかるので、葬儀社に頼んでしまった方が良いです。

返礼品(当日返し)は、あくまでも参列者全員に配るために高額でなく、だいたい1500円 ~ 3000円程度のものを準備しましょう。

内容としては以下のようなものですね。同じようなものが葬儀社で準備しているカタログに載っているので、そこから選んでください。

飲食関係料金

ここでの飲食関係料金とは、「通夜振る舞い」や「精進落とし」での参列者にふるまう飲食にかかる料金を意味します。

お葬式という行事において、飲食料金がかかってくるポイントは大きく2回、上述の「通夜振る舞い」と「精進落とし」の時です。

飲食での料金は、喪主や遺族が直接レストランやお惣菜ケータリング業者に支払うものですが、
葬儀社が代理で支払い、最終的に葬儀社に飲食料金としてお支払いするケースも多いです。

そのため葬儀社に葬儀をお願いする時の打ち合わせで、どのような支払いになるのか相談しておきましょう。

通夜振る舞いの金額感ですが、通夜振る舞いではオードブルやお惣菜、お寿司などが大皿で出すのが一般的です。

そのため食事は1人あたり2000円程度、飲み物は1人あたり1000円程度の合計3000円を見込んでおきます。

一方で精進落としの金額感ですが、精進落としでは会席料理などのお膳を振る舞うことが一般的ですので、
食事が1人あたり4000円~6000円、飲み物が1人あたり1000円~2000円の合計5000円~8000円となります。

お膳を振る舞う必要があることから、精進落としでは、お店を予約する必要が出てきます。
近所に最適なお店がないかどうか、葬儀社の担当者に聞いてみると良いでしょう。

自分で探す場合は、直接お店に「精進落としに考えているのですが…」といった内容で問い合わせをしてみてください。

私からすると意外でしたが、結構なお店で「精進落としコース」や「ご法事コース」といったメニューを準備していることが多いです。

ぐるNaviでは、法事で検索することもできますので、試してみてください。

その他への支払い

香典返し(あと返し)の費用

その他の支払いとして挙げられることが、香典返し(あと返し)の費用です。

香典返しは、葬儀社が準備するカタログから選ぶ場合には葬儀社への支払い、
一般的なギフトショップやネットで購入する場合には各店舗への支払いとなります。

通夜・葬儀告別式の際、参列者に返礼品を配布しますが、ここで準備する返礼品は、
当日返し、会葬返礼品などとも言われ、あくまでも「会葬」していただいたことに対するお礼です。

一方で香典返しとは、あと返しとも言われるように香典を多くいただいた方に対して
さらなるお返しという意味が込められています。

基本的には1万円以上の香典をいただいた方には1/4 ~ 1/2の値段相当の品物を送りますが、
相手にさらに気を遣わせてしまう可能性もあるので上限は1万円ぐらいにしておきましょう。

例えば、香典として10万円いただいた場合、上記で説明している1/4~1/2相当と言うことは、
約2.5万円~5万円相当の品物を返すこととなりますが、逆に返しすぎ、ということになります。

「香典」とはそもそもがお気持ち代の意味合いもある、対する「香典返し」もお気持ちに対する
感謝のお気持ちということとして考えておいた方が良いでしょう。

私は正直なところ、「香典」も「香典返し」も渡したり返したりで、なんとも面倒な作業だなぁと思ってしまいました。

ですが香典返しは、「守らなければいけない社会のマナー」のようなものですのでしっかりと対応するようにしてください。

まとめ

それでは記事のまとめとなります。

本記事では、葬儀費用の内訳について「一般葬・公開葬」を例にし、筆者の経験も含め説明いたしました。

葬儀費用の内訳は、主に3つに分類することができます。

  1. お寺への支払い
  2. 葬儀社への支払い
  3. その他(ギフトショップ等)の支払い

各項目の詳細については本記事を最初からご覧いただくことします。

そして今回、あなたが葬儀費用の中身を知ることで最大のメリットは、
葬儀全体の費用から不必要だと思うものを判断し、あなた自身で取り除くことが可能となることです。

必要ではないものをそぎ落とすことで、最終的には葬儀費用の節約にも繋がることでしょう。

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